1型糖尿病の子どもは、学校を休む回数が多いにもかかわらず、教育達成度や高等教育への進学率が悪くならないことが、Diabetes Care誌12月号に掲載された研究により明らかになりました。
英国・カーディフ大学のロバート・フレンチ氏らは、ウェールズの学童を対象に、1型糖尿病の状態やヘモグロビンA1c(HbA1c)管理状況と教育成果の関連性を定量的に検討しました。糖尿病のない子ども263,426人と、1型糖尿病と診断された子ども1,212人の結果が比較されました。
研究者らは、1型糖尿病の子どもたちと糖尿病のない子どもたちの比較において、糖尿病の子どもたちの方が年間9コマ多く学校を休んでいるにもかかわらず、学生の達成度や高等教育への進学率に関連性を示す強いエビデンスは観察されなかったと言います。HbA1cの最適値が5分の1の子どもは、糖尿病でない子どもよりも達成度がかなり高く、最適値が5分の1の子どもは達成度が低いものでした。診断時の年齢に基づく曝露期間による達成度の差は見られませんでした。
「糖尿病罹患期間が長くても、糖尿病が教育成績に及ぼす全体的な悪影響はないことが、今回のデータから強く示唆された。」と著者は記しています。
出典
https://www.physiciansweekly.com/educational-attainment-no-worse-for-children-with-t1dm