1型糖尿病は、世界中で2,800万人以上が罹患しており、そのうち米国だけでも900万人が罹患していると言われています。アイダホ大学の卒業生であるアーメッド・ヌルコヴィッチは、治療法の基礎を築く可能性のある仮説を立てました。
この仮説により、ヌルコビッチはインペリアル・カレッジ・ロンドンで修士号を取得し、さらに博士号取得のための資金援助を受けることになりました。インペリアル・カレッジは、修士課程で世界第6位(QSランキング)にランクインしています。(QS世界大学ランキングは、2004年から毎年発表されているQuacquarelli Symonds社による世界のトップ大学ランキングです)。ヌルコビッチは滞在中、将来の指導教官である石原純博士の資金援助により、研究費の全額を受け取る予定です。
ヌルコビッチは、生物医学の最新の人工受容体を利用することで、1型糖尿病で重要な役割を果たすベータ細胞を破壊する有害なT細胞を標的にできると考えています。同様の技術は他の自己免疫疾患にも応用されていますが、1型糖尿病に関しては初めての試みとなります。
ヌルコヴィッチは国際政治経済学と生物医学をダブル専攻し、ここ数年はアイダホ州在住のマーク・ガンダーソン博士と共同研究を行っています。IDeA Network for Biomedical Research Excellenceのスポンサーである彼らの研究は、現在、複数の科学雑誌で査読され、出版を待っているところです。
バルカン半島の国、モンテネグロで幼い頃から科学コンテストに出場していたヌルコビッチは、常に科学分野で成果を上げることを運命づけられていました。アイダホでの経験は、彼の科学的・人間的成長の大きな部分を占めていると考えています。ヌルコビッチは、アイダホ大学で取得したダブルメジャーを活用し、科学界と一般市民の間のギャップを埋めることを目標としています。
「アイダホ大学に入学する前は、自分のキャリアパスがどこにあるのかわかりませんでした。私は知識に対する情熱を持っていました。ここの研究室で働き、IPEと医療科学部門の素晴らしい教授から学ぶことで、枠にとらわれない考え方ができるようになりました。ここの教授たちは、誰もがチェンジメーカーになる可能性があることを教えてくれました。」と、ヌルコビッチは述べています。
「私は、健康の社会的側面に興味があります。人々は科学的な考えから疎遠になりがちです。私はC of Iで得た学際的な知識を組み合わせたいと考えており、(インペリアル・カレッジでの)この機会によって研究を行うことができ、また科学のアクセス性を高めることができると感じています。」と付け加えました。
インペリアルカレッジでは、ヌルコヴィッチは複数の企業の共同創業者である石原と一緒に働くことになります。がん免疫療法の臨床応用を目指すアロー・イミューン社、抗炎症治療薬の臨床応用を目指すハイオセラ社、東京で科学普及活動を行うサイエンスバーを運営するサイエンスラウンジLLC。これらの研究所のリーダーであると同時に、インペリアル・カレッジのバイオエンジニアリング学科で創薬のための免疫工学の教授も務めています。
ヌルコヴィッチは、石原とのインタビューを受け、彼の作品に目を通すことができ、有頂天になったといいます。短い読書会のつもりが、人生を変えるような気づきがありました。ヌルコヴィッチは、他の自己免疫疾患で使われている治療法を1型糖尿病に応用したのです。
面接の際、ヌルコビッチは1型糖尿病に関する自分の考えを伝えた。その後、奨学金や研究助成金、石原氏の会社でコンサルティングを行うことになりました。
将来の仕事の重要性を問われたヌルコビッチは、「何が起こるかわからない、特に科学の世界では……(成功すれば)一生モノになる」と答えました。もし、この目標に少しでも貢献できるのであれば、とても誇らしいことです。
ヌルコヴィッチは、インペリアル・カレッジで学ぶことで、知識を伝え、母国モンテネグロに変化をもたらすことを期待しています。
モンテネグロの子どもたちに、自分たちが変化を起こす可能性があることを示す研究機関を作り、発展させるために戻るという考えは、私が実現しようと努力していることです。”世界中には、活用されるのを待つだけの潜在能力がある”
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